がん検診・特定健診
当院は、肛門科診療だけしている訳ではありません。
これまでの外科医・消化器病専門医の経験を活かし、がん検診・特定健診にも取り組んでいます。
堺市の検診は令和6年3月31日まで無料です。
市民自己負担が無料といっても、どの検診も堺市役所から医療機関へはそれなりの費用は支払われております。例えば胃カメラは1件あたり15829円が堺市から当院へ支払われます。ですから、検診のみご希望の方も遠慮なく、お気軽にお越しください。
胃がん検診以外は予約なしでも受診で来ますが、あらかじめ電話で来ることをお伝えいただけると助かります。また、外来終了間際に来られると時間がなくてできないことがありますので、早めの時間帯にお越しください。木曜日は手術日内視鏡検査日ですので、胃がん検診以外の検診は受けられません。
胃がん検診(内視鏡=胃カメラ)
胃がんは以前に比べれば減少していますが、依然日本人に多いがんであることには変わりありません。ヘリコバクターピロリ菌感染が主な原因ですが、除菌しても全くリスクがなくなるわけではありません。胃カメラの際は食道も観察しますので、食道がんの検診にもなります。内視鏡とX線(バリウム)の2つの方法がありますが、バリウムの場合は異常があれば、精密検査として結局内視鏡が必要になりますが、最初から内視鏡なら、そのまま生検(病理検査)もすることができます。写真の二重読影が必要ですが、当院では院長が胃カメラを施行して、ピロリ菌感染症認定医の前院長が二重読影をしてくれています。
ピロリ現感染が多かった時代から、ピロリ既感染(除菌後)や未感染が中心の時代になってきています。「胃炎の京都分類」に基づく粘膜状態の判定を行います。胃カメラは、早期胃がんの見落としのない観察、的確な生検、患者さんの苦痛など本当に難しいです。受診者に不利益のない検診を行うよう努力します。
当院の胃カメラ検査に関する詳細は「胃内視鏡」のページもご覧ください。
堺市民で50歳以上の偶数年齢(満年齢)の方。経鼻、経口胃カメラお選びいただけます。経口の鎮静(麻酔)は相談に応じます。検査日は月、水、木曜日です。前日夜8時以降は絶食です。予約制ですので、一度来院していただく必要があります。
費用:無料。ただし、異常があり、生検(病理検査)をした場合は、その部分のみ保険診療で有料になります。
大腸がん検診(便潜血検査)
大腸がん(結腸がん、直腸がん)は近年増加しています。血便などの症状がありますが、癌がある程度大きくならないと症状が出ません。しかし、胃の場合のように検診として最初から全国民に内視鏡やバリウムの検査をするのは無理があります。
便潜血反応は糞便中の目に見えない血液を検出し、大腸がんの早期発見につなげるものです。2日別々な日に便を専用の容器に採取して、持っていただくだけです。2日のうち1回でも陽性になった方は精密検査として大腸内視鏡検査を受けていただくことになります(当院でも他院紹介でも可)。
堺市民で40歳以上の方。毎年受けてください。予約は不要です。検便の容器を取りに来ていただき、後日記入した問診票と2日分の検便を持って来ていただくだけです。
費用:無料。ただし、便潜血陽性で、精密検査として行う大腸内視鏡検査は通常の保険診療になります。
乳がん検診(視触診+マンモグラフィ)
乳がんは女性で最も多い癌で、増えてきています。乳がん検診で最も重要な検査はマンモグラフィ(乳房レントゲン)検査で、受けることで死亡率減少効果が証明されています。マンモグラフィ設置医療機関は限られますので、堺市では、かかりつけ医が窓口となり、視触診を行い、マンモグラフィは設置医療機関で撮影し、堺市医師会館で集約して二重読影を行い、かかりつけ医が結果説明をするという形をとっております。
当院はマンモグラフィは撮れませんので、他院に撮影に行っていただくことになりますが、院長はマンモグラフィ読影認定医として、堺市医師会館で読影を行なっていますので結果についても詳しく説明し、ご質問にもお答えします。また、当院経由で堺市乳がん検診を受けていただいた患者様には無料で乳房超音波検査もしております。
堺市民で40歳以上の偶数年齢(満年齢)の方。当院での視触診と超音波検査の予約は不要ですが、その際に他院でのマンモグラフィの予約をとらせていただきます。マンモグラフィ撮影の数週間後に結果を聞きに来ていただきます。異常があれば、乳腺の専門医を受診いただき、精密検査を受けていただきます。
費用:無料。
胃がんリスク検査
(血液検査、ABC検診)
よく「胃がん検診」と「胃がんリスク検査」の違いがわからないと聞きますが、まず、胃がん検診は50歳以上、胃がんリスク検査は35歳〜49歳と対象年齢が違います。そして、胃がん検診は内視鏡やX線で胃がんそのものの発見を目的とするのに対して、胃がんリスク検査は血液検査で胃がんになりやすいリスクを調べるものです。
胃がんは、ヘリコバクターピロリ菌の感染と、それによる胃粘膜の萎縮が元になって起こります。血液検査で、ヘリコバクターピロリ抗体と、胃粘膜の萎縮(ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ)を測定することで胃がんのリスクを調べます。それぞれの陽性陰性の組みわせで、リスクが低い順にA群、B群、C群、D群と分類するので、ABC検診とも呼ばれます。A群はリスクなし。B〜D群は胃カメラ検査を勧められます。ピロリ菌陽性の方は除菌療法を行います。
堺市民で、35歳から49歳までの間に1回だけ受けることができます。予約は不要です。問診票を記入いただき、採血をします。
費用:無料。
前立腺がん検査(血液検査)
血液検査で前立腺がんのマーカーであるPSA値を測定します。PSA値が高い場合は、前立腺癌の可能性がありますから、泌尿器科を受診して、精密検査を受けていただきます。
堺市民で、50歳〜69歳の偶数年齢(満年齢)の男性。受診するときは、堺市胃がん検診、堺市大腸がん検診、または堺市国保特定健診とセットで受けていただく必要があります(堺市の規定です)。予約は不要です。問診票を記入していただき、採血をします。
費用:無料。
肝炎ウイルス検査(血液検査)
B型肝炎やC型肝炎は、肝硬変や肝癌へと進行します。B型肝炎やC型肝炎を発見することで、抗ウイルス薬で治療を行うことができますし、肝癌のハイリスク群に対して定期的に検査を行い、肝癌の早期発見にもつながります。
血液検査で、HBs抗原とHCV抗体(抗体価が高い場合はHCV-RNAも)を測定します。陽性の場合は、肝臓専門医を受診していただき、追加の血液検査や超音波検査などの精密検査を受けていただきます。
堺市民で20歳以上の方で、これまでに堺市の肝炎ウイルス検査を受けたことのない方に限ります。専用の採血容器を切らしていることもあるので電話予約してください。問診票を記入いただき、採血を行います。
当院で手術を受けた方は術前検査の採血で肝炎ウイルス検査をしていますので受けられません。
費用:無料。
特定健診(特定健康診査)
生活習慣病やメタボリックシンドロームの早期発見、改善のための検査です。具体的には、問診や理学所見、血圧測定、身体測定(身長、体重、腹囲)、血液検査(肝機能、脂質、糖尿病、腎機能、貧血)、尿検査を行います。
当院のような真の内科医でない医者が、特定健診をするにあたっては、事務的形式的な健診になることのないように、ベースとなる高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症、動脈硬化性疾患、冠動脈疾患、脳血管疾患、腎臓病、肝臓病、血液病等の内科学の最新知識の勉強につとめ、受診者にきちんとその意味や意義を説明できるように努力します。特定健診はシンプルですが、その背後にある内科学はものすごく広く奥が深いです。特定健診を活用し、同時にその限界も知る必要があります。
特定健診は、堺市国保、後期高齢者医療広域連合、協会けんぽなど医療保険者が実施主体となっていますので医療保険者により微妙に異なる点もあります。
健診の結果、メタボリックシンドロームや病気がある場合は、他院で特定保健指導や治療を受けていただきます。
できれば電話で予約してください。予約なしでも特定健診は受診できますが、早めの時間帯に来てください。終わり間際に来られたり、混んでいるときは受診できないこともあります。
(堺市国保)40歳〜74歳。保険証と受診券を持参してください。費用は無料です。
(大阪府後期高齢者)75歳以上。保険証と受診券を持参してください。費用は無料です。
(協会けんぽ)本人または家族。40歳〜74歳。保険証と受診券を持参してください。費用は1210円です(当院は集合契約B)。